【マンションあるある② : 昨今のタイル浮き問題】(お知らせ)

2014年5月25日|お知らせカテゴリ:|投稿者:ヨコベ (7)

大規模修繕工事のコンサルタントをしていると、ここ数年工事が始まってよくこんな問題が上がります。
「タイル浮きの補修数量が極端に多いね!」
「設計で想定している数量をはるかに超えてるじゃないか、ちゃんと調査したの?」
...などなど。

■「タイル浮き」とは?(経年劣化によるもの)

外壁のタイルはコンクリートの上にモルタルを接着剤として貼り付けられているのですが、そのモルタルがコンクリート面から離れてしまっている現象を「タイル浮き」といいます。また、モルタルとタイルが離れてしまっているものも同様に「タイル浮き」といいます(陶片浮きともいいます)。<参考図①参照>

コンクリート躯体とタイルの図

参考図①

今回はコンクリートと貼り付けモルタルの浮きの話をしたいと思います。

■「タイル浮き」の調査

翔設計の場合、外壁の劣化調査は、手の届く範囲で「打診調査」を行います。
その他の調査方法は打診以外にも、外壁調査機械を採用したり、ゴンドラを使用しての全数調査などもあります。

■「タイル浮き」補修数量の想定(工事費の積算)

手の届く範囲で「打診調査」を行った結果から、足場が無くては調査できない部分の劣化状況(劣化数量)を想定して数量調書とします。手の届く範囲の劣化状況からその他の部分を予測するわけですね。想定数量であるということは実際に、工事を行ってみると増えることもあれば減ることもあるわけです。前述の「タイル浮き」調査で述べたいずれの手法を採用しても結果的に工事を行う数量(建物全体の劣化数量)は変わらないわけなので、補修金額は同じになります。工事を行う前に補修金額をフィックスしておくか、想定金額としておくかの違いです。また全数調査を行う場合は、余計に調査費を支出しなければいけないため実際は高額になってしまうわけです。そのため、当社では想定数量にて設計をしています。

■タイル浮き増加の原因(経年劣化とは別の要因が考えられるもの)

少し前提の話が長くなってしまいましたが、ここからが本題です。昨今、そのタイル浮き補修数量が大幅に増えてしまうマンションが数件ですが見られます。
要因としては、新築時のコンクリート打設品質が向上したことで起きているといわれています。コンクリートを打つ際に、型枠を使用して形作っていますが、この型枠は素材・転用性・簡易性が重要視されているものでもあります。十数年前よりこれらの型枠製品も向上し、転用しやすいように取外しが容易になったものもあります。コンクリートと型枠が剥れやすく表面もツルツルです。
ここで問題がおきました、ツルツルのコンクリート表面にタイルを貼り付けることで剥れやすくなっているケースもあるということです。浮き・剥離を防ぐために新築工事の際、コンクリート表面を目荒し(多少ザラザラの凹凸をつける)でタイル用のモルタルの付着する表面積を増やし剥れにくくするといった手間を施しますが、当時はそれが充分でないことがあったようです。この時期に建てられた建物が十数年を経て、マンションではちょうど大規模修繕工事の時期と重なっていることで、一部のマンションではタイル浮きがこれまでよりも多く発生していると考えられています。
そういった状況が全てのマンションで起こっているわけではありません。またタイル浮きの原因がこれのみとは言いきれません。<参考図②参照>

タイルの剥落原因

参考図2

■おわりに

タイル浮きの発生原因が単なる経年劣化によるものだけではなくなったことで、想定数量が狂うケースがあることは事実です。しかし、安易に想定数量を大幅に見積もったり、全数調査のために高額な調査費用をかけたりすることが合理的とは考えにくいため、とても悩ましい問題です。大切なことは浮いたタイルは確実に補修することです。その箇所や範囲は足場をかけるなど、実際に工事に入らないと結局は分からないという現実を理解することです。
理事会や修繕委員会の方々も、そのことを理解しておくことが良いでしょう。
私共は調査時にタイルの付着力試験を実施しますが、その際にコンクリート表面の状況にも目を光らせ、打診調査も入念に行うよう心がけています。また、調査報告でもみまさんがこのことを理解して、工事に臨んでいけるよう説明させて頂いております。

投稿者:ヨコベ (7)

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