コンクリートの原形は古代エジプト時代から存在していたという記録があります。その後の歴史のなかで、現在利用されているポルトランドセメントが開発されたのですが、それからでも200年以上の歴史がある非常に利便性の高い材料です。このコンクリートの内部に鉄筋を入れて強度を高めたものが、大部分のマンション建築に用いられている鉄筋コンクリート構造なのです。
コンクリートとは非常に古臭い、変わりばえのしない基本材料です。しかしそれは、鉄筋コンクリートが人間の生活にとってすばらしい材料であり、工法であることの証です。簡単にいってしまえば、ほかに代換えのきくものがないほど、人間と相性が良い材料なのです。とはいえ残念なことに、ほとんどの方は学校などでコンクリートについて教わった記憶はないでしょう。都市の大部分を形成し、その内部で私たちが生活しているのにもかかわらず、どのような物質でどのような性質を持っているかを知る機会は与えられていません。
本記事は、貴船美彦著作「マンション管理組合 理事になったら読む本」(幻冬舎2014年)から内容を抜粋して掲載しております。
つづく・・・