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大規模修繕工事の原則は?④良い設計コンサルタントを選ぶ(管理組合の豆知識)

2016年7月29日|管理組合の豆知識カテゴリ:|管理組合の豆知識タグ:|投稿者:翔設計スタッフ (78)

ひと口に「第三者の設計コンサルタント」といっても、さまざまなタイプの設計コンサルタントがあります。その中から本当に管理組合の立場に立って理事会の希望に沿うコンサルタントを選ぶのは、それほど簡単ではありません。
実際に、頼りになる委託者として、また信頼できるアドバイザーとして、大規模修繕工事の計画を任せられるコンサルタントを選定するには、少なくとも次に挙げるような要素を検証することが必要です。

握手する手

信頼のおけるコンサルタントは心強い味方となります

1.実績の確認
設計コンサルタント業務のなかでも、マンションの修繕は比較的特殊な要素が多く、たとえば新築物件の設計実績だけではほとんど役に立ちません。選定候補に挙がったコンサルタントについては、その会社のマンション修繕の実績を確認するのは当然ですし、業務を行っている事務所へ訪問して社内の様子を見てみる、また可能であれば実際に修繕コンサルタント業務を手がけたマンションの見学や理事へのヒアリングをしてみることも有効です。
さらに、マンション修繕の実績に限らず、そのコンサルタント会社の事業全体を比較してみることができれば、各コンサルタントが得意としているところや優劣がわかってきます。

2.継続性が重要
日本の設計コンサルタント会社は業界として見てもまだまだ歴史が浅く、成熟した状態にあるとまではいえません。しかも、多くのコンサルタント会社は比較的短命です。個人事務所的な会社の継続性は、平均8年程度ともいわれています。つまり10年後には現在のコンサルタントの半分近くが稼動していないというのが現実です。
一方で、マンションの大規模修繕工事は約10年単位ですから、当然コンサルタントには長期にわたる継続性が求められます。10年、20年にわたる長期的なサポートを継続的に依頼できるかどうかが、選定のポイントとして重要になるのです。とくに建築の分野では、技術的に長期的な観察は必須要件となっています。たとえば、経年変化の判断には10年位での継続的確認をするというのは、それが技術の基本だからです。
つまり、コンサルタント会社がどの程度の社歴を持っているのか、事業や実績が安定したものであるかどうかを選定基準に加えるべきなのです。
現在は日本でも一定の規模を持ち、継続性も期待できるコンサルタント会社が育ちつつあります。長期にわたるマンション修繕にかかわる大切なパートナー選びですから、そのような点も十分に考慮しなければなりません。

3.相性の確認
コンサルタントには会社ごとに特徴があります。それを踏まえたうえで、理事会はまず自分たちの大規模修繕工事の目的を理解し、実現するために大きな力となってくれそうなコンサルタントを見極めなければならないのです。その選定基準に「相性が良いこと」を意識すべきです。
コンサルタントとの相性の良さは、実際に理事会として協力して業務を進めるときに、メンバー全体が元気で楽しく前向きに議論を進めることができるかどうかを左右します。
理事会であれ、修繕のための委員会であれ、結局は人間同士の付き合いであるということには変わりません。どんなに有能なコンサルタントであっても、お互いに効果的なコミュニケーションがとれなければ良い修繕工事はできません。むしろ、お互いに良好な関係を築きながら計画を進められたかどうかが、大規模修繕工事の結果に影響する傾向にあります。抽象的ですが、コンサルタント会社との相性が大切な要素であるというのはまさにそれが理由なのです。

本記事は、貴船美彦著作「マンション管理組合 理事になったら読む本」(幻冬舎2014年)から内容を抜粋して掲載しております。

つづく・・・

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