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初めての大規模修繕工事(築10年から15年)のポイントは?②自分たちのマンションを知って目的を整理する(管理組合の豆知識)

2016年9月2日|管理組合の豆知識カテゴリ:|管理組合の豆知識タグ:|投稿者:翔設計スタッフ (78)

大規模修繕工事計画のはじめの一歩は「自分のマンションを知る」ことです。

マンション外構

住む中で建物がもっている問題点が明確になる

ただし、新築と同時に入居した場合ですと、マンションの共用部分や外構(建物の外にある構造物全体。地面、アプローチ、柵、垣根、植栽など)を目にするのも引っ越してきてからというケースが大半です。多数の棟が集まった大規模マンションなどでは、10年暮らしても自分の住戸がある棟以外には出かけたこともなく、マンション全体のことなど考えたこともなかったという住民も少なくありません。ましてや理事のほとんどが会社員であれば、日常的な建物の使い勝手やその良し悪しなど知る由もありません。

初めて理事になった場合、自分たちのマンションでも実際に知っている範囲はごくわずかしかないということを前提に、その全体像を知る方法から考えてみましょう。 とはいえ、この時点でのマンションを知る作業は、劣化箇所や修繕範囲をあら捜しすることとは違います。どんなマンションでも新築から10年も経てば、長所や短所、欠点などが見えてくることはすでに述べました。最初の時点で大切なのは長所や短所を大きく把握し、マンションの特徴を知ることなのです。

建築や設備面での性能などに関しては、専門コンサルタントに調査診断を依頼することをお薦めします。第三者である専門コンサルタントが実際に現地調査を行い、新築時の設計図書と照らし合わせて十数年の経過で何が起こっているかを検証してもらうのです。これは1回目の大規模修繕工事において非常に重要な作業で、住民がマンションの持つ固有の長所や短所についての客観的な判断を知ることのできるたいへん貴重な機会です。 建物や設備の調査診断から設計図書の閲覧へと調査が進んでいくなかで、建物の問題点が明らかになっていきます。どんなマンションであれ欠点や問題点がないということはあり得ません。大切なのは建物の基本性能に関する調査結果を住民が共有していくことです。

建物の基本性能とは、人間にたとえるなら「生まれつき」のもので、簡単には変えられない部分です。建築物としての長所や短所は、設計コンサルタントが建物調査(図面確認や現地調査等)を行うことでほぼわかります。有能な設計コンサルタントであれば、客観的な技術判断を加え、わかりやすく解説してくれるはずですから、少なくとも理事会では共通の認識としておくべきです。 一方で、マンションの使用性や利便性、安全性といった部分に関しての一番の判断材料は、日常的に建物を利用している住民の感覚や意見が重要です。住民が自分たちのマンションにおいて何を長所としているか、何を大切に感じているのか、どこに不満や不安を抱えているのかを理事会として知ることが重要です。

これら建物調査の結果と住民の意見をベースにして、大規模修繕工事の目的を検討していくのです。

大規模修繕工事のための建物調査によって、これまで住民がそれぞれに気にしてきた問題点が理事会に集約され、明らかになります。 例えば、暗くて危ない、開閉しにくい、いつもジメジメしている、水はけが悪い、滑りやすい、安っぽい部分がある……などといった点は多くのマンションで問題となってきます。もちろん、どんなマンションにもちょっとした短所や欠点はありますし、どんな建物でも利用しているうちに見えてくる不具合は存在します。それらには、簡単に直せるものとそうでないものがありますが、これから先もずっと我慢をして不満を抱えつつ暮らしていくのは問題ですから、直せるものであれば最初の大規模修繕の機会に直してしまうべきです。

本記事は、貴船美彦著作「マンション管理組合 理事になったら読む本」(幻冬舎2014年)から内容を抜粋して掲載しております。

つづく・・・

Q.初めての大規模修繕工事(築10年から15年)のポイントは?

①関心を持って取り組むが吉
②自分たちのマンションを知って目的を整理する
③大規模修繕工事でマンション共同体を変える
④「大規模修繕工事はいいものだ」という共通体験のために
⑤積立金はなるべく温存する

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