3回目の大規模修繕工事の特徴は、過去2回の工事よりも大きな費用がかかるという点です。これはマンションの本体に組み込まれているさまざまな部分が、既に寿命に達していることや、そうでなくとも確実に寿命に近づいているからです。 具体的な例では、手摺り、サッシ窓や玄関扉などが挙げられます。また、給排水設備、配管、エレベーターといった設備関連も、改修が必要な時期になっているはずです。 そこに立ちはだかる一番の難問が資金計画です。いくらでもお金をかけられるというのであれば別ですが、そのような管理組合には出会ったことがありません。理事会は限られた資金のなかでどの部分を工事せずに済ませるかを選択していくことが重要課題となります。 たとえば給水設備修繕と一言でいっても、実際には工法や材料、状況ごとにその工事も千差万別となります。
外壁や防水の大規模修繕工事は、過去の経験を活かすことができますが、3回目の大規模修繕工事の検討項目は、先に例としてあげたサッシや給排水設備などマンションの生涯でおそらくただ一度だけのものばかりですから、なかなか判断がつかないのは当然です。そのような課題をクリアするためには、計画立案の時点から修繕コンサルタントを加えて十分な準備を進めていくべきでしょう。
本記事は、貴船美彦著作「マンション管理組合 理事になったら読む本」(幻冬舎2014年)から内容を抜粋して掲載しております。
つづく・・・
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