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築50年超のマンションについての選択肢①マンションの寿命と建替え(管理組合の豆知識)

2016年10月21日|管理組合の豆知識カテゴリ:, |管理組合の豆知識タグ:|投稿者:翔設計スタッフ (78)

日本のマンションの歴史は半世紀を越えたところですから、新築から50年を経たマンションはそれほど多くありません。しかし、これからはその数が一気に増えていくことになります。その築50年という年数にさしかかろうという4回目の大規模修繕工事を検討するにあたっては、同時に「建替えないのか?」「建替えたい」「建替えよう」という声が管理組合のメンバーから聞こえてくるかもしれません。現在は旧耐震基準の建物であることがその議論の大きな理由となっています。しかしいずれは新耐震基準のマンションでも同じことが起こるでしょう。
マンションの寿命を60年と見るか、70年、80年、90年と考えるのか……。その判断基準となるのは築50年程度時点で、躯体のうちコンクリートの劣化状況が大きく影響してきます。つまり、それまでの大規模修繕工事でどれだけ劣化を抑えられているかによって、マンションの寿命が決まってくるのです。日常的な営繕工事の体制なども整備し、定期的な保全を繰り返していけば、50年経ったマンションでも、これまでどおりに生活していくことに関しては特に支障はないケースもあります。
もっとも、建物が存続していればそれで十分というわけにはいきません。建替えが議論にのぼる理由には、マンションは建物が古くなると住み替え需要が減り、独居老人や空室の増加などが発生します。また、修繕積立金が資金不足に陥ってしまうということも起こり得ます。そうなる前に、新しくしないとたいへんなことになるという不安から、建替え議論が始まるケースもあるのです。

足場のある風景

修繕か、建替えかは、劣化状況というハード面と住民の状況というソフト面の両方から議論されるべきです

「建替え」はいうだけならば簡単かもしれませんが、現実の計画から実行に至るまでには莫大な時間と資金と人的エネルギーがかかります。その結果、建替えに優位な立地条件等が備わっている場合でもない限り、現実的には建替えて新しいマンションに再び住むというストーリーはなかなか成立しないというのが現状です。夢だけでは到底成し遂げられないでしょう。また、間違った情報で話だけが進んでしまい、実際に着手してみて初めて予想や計画とは大きく異なることが明らかになるという危険性もあります。

本記事は、貴船美彦著作「マンション管理組合 理事になったら読む本」(幻冬舎2014年)から内容を抜粋して掲載しております。

つづく・・・

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