マンションの築50年というタイミングは、管理組合として将来計画を立てることが重要になる時期であること、情報を含めた事前準備や資金面でも3回目の大規模修繕工事以上に労力や計画に時間がかかることは間違いありません。
まさに専門家であるコンサルタントの能力が必要となります。4回目の大規模修繕工事では、理事会はコンサルタントを使い倒すほどの覚悟で修繕計画の検討と同時に建替えの可能性の検証を行なうべきです。客観的な情報をもとに、将来的にも大規模修繕工事を続けていくケースと、建替えるケースを比較し、検討結果を管理組合全体で共有していきましょう。
今後は「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」をはじめ、建替えを後押しするような法律の整備・改正や規制緩和が進んでいくはずです。建物は絶対に修繕できないということもなければ、絶対に建替えられないこともありません。そしてマンションは建物プラス人によって構成されているのですから、その寿命を決めるのもまた人、イコール管理組合のメンバー全員であることだけは確かです。
築50年という節目は、その後のマンション生活の行く末を管理組合の共通認識として考え、覚悟をもって将来につないでいくことが大切な時期なのです。技術的判断は重要なものですが、半世紀を過ぎたからといってすぐさまマンションがダメになるわけではありません。その前提に立って10年後20年後について考え、理事会が率先してどのような方向性に舵を取るかを探っていかなければならないのです。
本記事は、貴船美彦著作「マンション管理組合 理事になったら読む本」(幻冬舎2014年)から内容を抜粋して掲載しております。
つづく・・・
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