理事になったら何からはじめればよい?③目的を決めて、年間スケジュールをつくる

理事会の業務には、共用部分の環境整備や管理といった日常的な事柄から、年次総会に向けた各種議案まとめといった1年単位での作業、大規模修繕など数年にまたがるものまでが含まれます。つまり、どのタイミングで理事になるかによって、実際に行う業務は違ってきます。

ただし、その理事の任期の問題やマンションの最高決定機関である年1回の総会が法律で決まっていることなどから、理事会のスケジュールは1年単位で考えるのが合理的です。実際、予算や会計の区切りや管理会社との委託契約も同様のスケジュールで運用していかなければなりません。
総会の開催期日などはマンションごとに異なりますが、そのタイミングを大きな区切りとして、実施しなければならない事柄の日程はだいたい決まってくるものです。
理事会のスケジュールづくりは、まずそれらの日程を予定し、その準備に必要な会議や打合せの期間を考慮しながらスケジュールを決めていくのが良いでしょう。そのほかに日常的に発生する問題や懸案事項もありますから、それらに逐次対応するためにも、1カ月に2回程度の会議を予定しておくのが効率的です。

このようにまず1年間のカレンダーに理事会のスケジュールを埋め、年間業務の検討期日を決めたうえで細かい実務を割り振るという方法がストレスのない理事会運営につながります。
会議の内容はより具体的に、この日の会議にはこの審議が必要で何を決定しなくてはならないのか、12カ月分の検討事項と決議事項を予め決めておくことです。また少なくとも3カ月ぐらい先までの細目の議案書案を随時作成していくと、事前に何を審議するかを決めておくことで議事がスムーズに進みます。それぞれの理事も年間を通しての議案が明確になっていれば、自分はいつまでに何を行うかが把握できます。
当然、途中で遅れや変更が発生すれば、事前に立てたスケジュールを柔軟に変更していくことも時と場合によっては必要ですが、やはり注意しておきたいことは、極力はスケジュールを重視して1年の計画を完了する努力をするべきだということです。

本記事は、貴船美彦著作「マンション管理組合 理事になったら読む本」(幻冬舎2014年)から内容を抜粋して掲載しております。

つづく・・・

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