「自分のため」に役割を果たすことが「みんなのため」になる

いままで管理組合および理事の皆様とコンサルタントの立場で接してきてわかってきたことがひとつあります。組合活動が円滑にまわっている、あるいは理事の方々が楽しんで組合活動を行っている理事会の多くにおいて、参加している理事は自分のために理事会活動を行っているという事実です。
「世のため人のため」ではなく、まずは自分のため、自分の生活や環境、家族、財産を守り人生を豊かにするために管理組合活動に参加する。実際には自分一人では実現できるものではないため、周囲と議論し、協力し、説得しながら組合活動を続ける。自分のために自分のマンションを守ろうと始めたことはみんなのマンションを守ることと一緒になっていきます。最初から他人のために行う活動はなかなか長続きもしないし、成果も得られないようです。自分のマンションを守り育てるために学び、その学びが自分の成長とも重なる一方でマンション全体の役に立ち、みんなの役に立つのです。こんなに楽しい方法が他にあるでしょうか。

権力を求めるのではなく、お金を稼ぐためでもなく、名誉を欲しがるわけでもなく、ただ、自分の生活の場をより良くし守るためにがんばることが、理事になったら一番に目指すことなのです。

本記事は、貴船美彦著作「マンション管理組合 理事になったら読む本」(幻冬舎2014年)から内容を抜粋して掲載しております。

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