管理計画認定制度

管理計画認定制度とは

管理計画認定制度はマンションの管理状態を評価する制度の1つです。

翔設計では地方公共団体が運営をする管理計画認定制度が今後主流になると想定し、管理計画認定制度を推奨してきました。

適切な管理がなされているマンションと、そうではないマンションの差が顕在化する

管理計画認定制度は、今後高経年マンションが急増していくことから、「マンション管理の適正化を図るため」に作られました。適切なマンション管理を行っていくことで、安心して暮らせる住環境を整えていくという目的があります。

すでに多くのマンションで資金不足等の問題を抱えていることが顕在化しはじめ、適切な管理がなされていないマンションは、住環境の悪化や資産価値の低下を招く可能性があります。適切な管理をしているマンションと、していないマンションとの格差は今後さらに広がり、二極化することが想定されます。

認定を受けたマンションは優良であるという証が公表されるため、マンションの資産価値向上が望めます。ご自身のマンションが健全なマンションであり続けるための第一歩として、この管理計画認定の取得を推奨しております。

管理計画認定制度のメリットとは

1.住宅金融支援機構による

  • マンション購入者に対する金利優遇
  • 大規模修繕工事の際の借り入れ金利優遇 -0.2%
  • マンションすまい・る債の金利優遇

2.国交省による

  • 大規模修繕工事実施の場合、固定資産税の減税措置(諸条件あり)

3.中古マンション市場による

  • 管理健全マンションとして独自の価値を打ち出せる
  • 中古市場での優位性

4.管理組合として

  • 長期修繕計画見直しのルーティーン化が図れる

何が評価されるのか

長期修繕計画の策定が最も重要!

管理計画認定制度の評価基準は以下の項目となりますが、もっとも重要なのは長期修繕計画です。
記載の条件をクリアしている必要があることから、多くのマンションで見直しが必要になると想定されますが、長期修繕計画はマンションの管理において最も重要な要素であるため、これを機に適切な長期修繕計画表を作成することを推奨いたします。
管理計画認定の基準
管理組合の運営
  1. 管理者等が定められていること
  2. 監事が専任されていること
  3. 集会が年1回以上開催されていること
管理規約
  1. 管理規約が作成されており、必要に応じて改正されていること
  2. 管理規約で下記について定めていること
    • 緊急時等における専有部の立入り
    • 管理組合の財務・管理に関する情報の提供
    • 区分所有者または居住者が変更となった場合の届け出
管理組合の経理
  1. 管理費及び修繕積立金等について明確に区分して経理が行われていること
  2. 修繕積立金会計から他の会計への充当がされていないこと
  3. 直前の事業年度の終了の日時点における修繕積立金の3ヶ月以上の滞納額が全体の1割以内であること
長期修繕計画の策定及び見直し等
  1. 30年以上かつ大規模修繕工事が2回以上含まれる計画期間となる長期修繕計画が作成されていること
  2. 長期修繕計画に基づいて修繕積立金が設定されていること
  3. 長期修繕計画が7年以内に作成又は見直しがされていること
  4. 修繕積立金の積立について、下記の内容を満たすものとなっていること
    • 積立額が著しく低額でないこと
    • 将来の一時金の徴収を含まないこと
    • 将来の増額が予定されている場合、その増額についてあらかじめ合意されていること
    • 計画期間の最終年度において、借入金の残高のない長期修繕計画となっていること
その他
  1. 管理組合がマンションの区分所有者等への平常時における連絡に加え、災害等の緊急時に迅速な対応をおこなうため、管理組合員名簿、居住者名簿を備えているとともに、1年に1回以上は内容の確認を行っていること
  2. 都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切なものであること

事前の準備が必要

管理計画認定制度では、申請に際して上記のようないくつもの条件を満たしている必要があります。
さらに長期修繕計画が総会で承認されていることや居住者名簿等の条件を満たしている必要があり、満たしていない場合には必要書類の準備が必要となるため、申請前の準備の時間を要します。そのため、申請しようと思ってすぐに申請できるものではありませんので、認定取得を目指す管理組合様は期間に余裕を持って着手いただくことをおすすめします。

申請方法には複数パターンある

※あくまでも既存の長期修繕計画を事前確認するだけの金額であり、見直しは別途となります。またマンション管理士によっては長期修繕計画の見直しができない場合があります。

翔設計では「パターン1:マンション管理士による事前確認」を推奨

翔設計ではパターン1のマンション管理士による事前確認サポートを行っております。どのパターンで申請されるかは管理組合様のご判断となりますが、既存の管理規約や長期修繕計画が基準に則ったものであれば、管理組合様による申請も可能です。

ただ、実際には長期修繕計画の見直しが必要なマンションが多く、その場合弊社はマンション総合コンサルタントとして、適切な長期修繕計画を作成することが可能であるため、合わせてご対応させて頂くことができます。

認定は健全なマンションであることの証

管理計画認定制度は、マンションの管理状況が健全であることを示す証です。高経年マンションはできるだけ長く住み続けることが求められる時代であり、そのためには適切な理事会運営と、資金計画・修繕計画があってこそ成り立つものです。長く快適に住み続けるためには、認定の有無以前に適切な管理が必須条件となります。この先の安心と、資産価値の向上のためにこの制度を活用してみてはいかがでしょうか。

補記:マンションを評価する3つの制度

どれも管理組合の体制や計画、収支(経理)や建物の状態などをチェックするものですが、運営団体や判定方法、有効期間に違いがあります。義務ではありませんが、将来的にはこれらの評価や認定がマンションの価値基準に加わり、資産価値の判断に繋がっていくことが想定されます。

制度 運営 審査項目 判定 有効期間 メリット
管理計画認定制度 地方公共団体 ・管理組合の運営
・管理規約
・管理組合の経理
・長期修繕計画
・その他
認定 〇× 5年間 金利優遇有
制度 運営 審査項目 判定 有効期間 メリット
マンション
管理適正評価制度
マンション
管理業協会
・管理組合体制
・管理組合収支
・建築・設備
・耐震診断
・生活関連
6段階評価(0~5) 1年間 適正な管理状態の維持
制度 運営 審査項目 判定 有効期間 メリット
マンション
管理適正化
診断サービス
マンション
管理士連合会
・管理運営状況
・修繕計画
・専有部床下配管工事
・防犯、防災、保険履歴
3段階評価(S・A・B) 5年間 保険料割引有