【まとめ】マンション大規模修繕やコンサルタント業務への消費税率変更の影響とは?

契約の変更にかかわる消費税率について

消費税の変更をまたがないはずの修繕工事が、予定どおりには終わりそうになく、また、工事費(請負代金)も変更になりそうな場合、消費税はどのように扱うのでしょうか。契約時の税率でしょうか、工事終了時でしょうか。

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基本的な考え方

特に追加工事がなければ、税率変更前の契約金額で進みますので問題はありません。問題が起きるのは

  • 契約当初に見込んでいなかった工事内容の追加変更があり
  • 工期も税率以降にずれ込み、工事費(請負代金)も追加金が発生する
ケースです。この場合は、大きく以下の処理をすることとなります。
  1. 本体契約分にかかる消費税率は以前のまま
  2. 追加工事等による請負代金の増額分には新税率適用

しかし、ここに消費税率の変更が関わってくると、どこまでが新税率かで支払う価格が変わるため問題になります。

具体的には、後々に終わってからではどこまでが本体契約内でどこからが追加工事なのかが明確でないとトラブルになります。

税率が変わるまでにどこまでが本体契約で、どこからが追加

◎本体契約分として3月末日時点での工事費の精査を終わらせてしまうことが良いでしょう。

3月末日までの変更内容で、増額が出ていたとしても、ここできちんとした内容の合意書類が交わされていればこの分は5%として清算できます。 4月以降に追加変更等でずれ込んだ工事に関しては、追加工事として別途の契約を新税率の8%で取り交わします(契約書、注文書などの書面を交わしておくこと)。

ちなみに、結果的な減額については、税率の変更はありません。税抜き10万円の減額は、税込みで10万5千円の減額として処理されます。

当記事の内容は、全国建設労働組合総連合の消費税増税法への対応に関する資料を参考にしています。

消費税変更時期毎の追加情報

1.改正消費税法施行日「平成26年4月1日と平成27年10月1日」の時

  • 「8%施行日」である平成26年4月1日以降に「引渡し」を行う請負工事については、消費税8%、
  • 「10%施行日」である平成27年10月1日以降に「引渡し」を行う請負工事については、消費税10%が適用されます。判断基準が、契約日ではないことに注意して下さい。
また、一定の要件を満たす請負工事については以下のような経過措置があり、引き上げ以前の税率を適用できる場合があります。

8%にかかる経過措置:税率5%が適用される例

平成8年10月1日から平成25年9月30日(指定日平成25年10月1日の前日)までに締結した工事等の請負契約(類する契約を含む)に基づいて、施行日の平成26年4月1日以後に引渡しを行う場合には、その工事請負代金に係る消費税は、8%ではなく引き上げ以前の税率である5%が適用されます。
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10%にかかる経過措置:税率8%が適用される例

平成25年10月1日から平成27年3月31日(指定日平成27年4月1日の前日)までに締結され、施行日の平成27年10月1日以後に引渡しを行う場合には、10%ではなく引き上げ以前の税率である8%が適用されます。 keika2_b

2.「消費増税(2019年10月1日)前後」8% → 10%の時

2019年3月31日までに契約した工事費や設計業務委託費は、8%の経過措置が適用されていましたが、2019年4月1日~2019年9月30日までに契約する工事費や設計業務委託費の消費税はどのように計算するのでしょうか?

原則として、「10%の消費税増適用開始日以降」に「引渡し」を行う請負工事については「新しい税額」が適用されます。

  • 10%施行日の2019年9月30日までに引渡しを行う請負工事(設計業務委託も同じ)については、消費税は8%です。
  • 10%施行日である2019年10月1日以降に引渡しを行う請負工事(設計業務委託も同じ)については、消費税は10%です。

「10%適用開始日」である2019年10月1日以降に「引渡し」を行う請負工事については、消費税10%が適用されます。判断基準が、契約日ではないことに注意して下さい。

また、一定の要件を満たす請負工事については以下のような経過措置があり、引き上げ以前の税率を適用できる場合があります。

【10%にかかる経過措置:税率8%が適用される例】

2019年3月31日までに締結した工事等の請負契約(類する契約を含む)に基づいて、施行日の2019年10月1日以後に引渡しを行う場合には、その工事請負代金に係る消費税は、10%ではなく引き上げ以前の税率である8%が適用されます。

※上記内容は、2019年10月1日に消費税率が10%に引き上げられる場合に適用されます。

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