初めての大規模修繕工事(築10年から15年)のポイントは?④「大規模修繕工事はいいものだ」という共通体験のために

外壁がタイル仕上げのマンションでは、築10年程度ではまだまだきれいで、大規模修繕の必要などないように思われる方もいらっしゃいます。確かに、建築材料や工法などはマンションの半世紀の歴史の間に、品質や耐久性の点でかなり向上しています。

実際に建物調査診断結果の統計を見ても、初めての大規模修繕工事では、あまり大掛かりな劣化補修をする必要のないケースが増えてきています。とはいえ、将来的な建物の維持を目的とした劣化補修工事が、ある程度までは必要になってくることは避けられません。

足場をベランダ側からみる
足場をベランダ側からみた様子

このように劣化補修工事というものは大規模修繕に欠かせないものであり、必要性に駆られて行うものです。工事期間中の足場や養生シートに覆われての生活は不便なものです。ところがやっと工事が終わったとしても、目新しさや見違えるような変化が実感できるものではありません。

劣化補修だけでは工事そのものが盛り上がりに欠け、その場に立ち会った住民にとっては達成感を得られないまま終わってしまうこともあります。そんなときに、先ほど例に挙げたような壁紙の色を変えるといったレベルの修繕が役立ちます。ローコストでありながら、空間を見違えるように変えられるという点で非常に費用対効果が高くなります。さらに使い勝手が悪くて我慢していたことが解消されれば、居住者全員が喜んでくれます。初めての大規模修繕工事の目的のひとつは、すでに述べたように全員で喜びを分かち合う体験をすることです。それがマンションの未来をつくる足がかりとなります。
「大規模修繕はいいものだ」という体験をしてもらうことが、長くマンションを維持していくためには大切になってくるのです。管理組合の全員にその実感を持ってもらうことを意識して、理事会は1回目の大規模修繕工事を計画・実行すべきでしょう。

本記事は、貴船美彦著作「マンション管理組合 理事になったら読む本」(幻冬舎2014年)から内容を抜粋して掲載しております。

つづく・・・

Q.初めての大規模修繕工事(築10年から15年)のポイントは?

①関心を持って取り組むが吉
②自分たちのマンションを知って目的を整理する
③大規模修繕工事でマンション共同体を変える
④「大規模修繕工事はいいものだ」という共通体験のために
⑤積立金はなるべく温存する

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