新しくマンション管理組合の「理事」になられた方へ

目次

最も重要なのは「引継ぎ」です

この春から、新しくマンション管理組合の「理事」になられた方はいらっしゃいますか?何から始めれば良いのか、どうすれば良いのか、よくお問合せを頂きます。
結論としては、最も重要なのは「引継ぎ」だということです。

引き継ぎが不十分なことで、それまで検討してきた議案が水の泡になってしまったり、定期チェック項目などがあったにもかかわらずチェック漏れが起きたりと、問題に発展するリスクが生まれてしまいます。引継ぎが不十分だと、良いことが一つもありません。

私たち翔設計は、これまで数多くの管理組合様とお付き合いをさせていただいています。その中で、理事会メンバーが代わった時に引継ぎが不十分で、問題に発展するようなケースをご紹介したいと思います。

引継ぎ不足「あるある」

引継ぎ不足には、いくつかパターンがありますが、代表的なものとして2種類あると思います。

●現理事が着手した事案について、新理事へ引継ぎがされないケース
●前理事から現理事へ引き継がれたが、現理事の任期中に業務が発生せず、現理事から新理事への引継ぎが漏れてしまうケース

具体的な例を見てみましょう。

ケース1.

漏水事故が起きて、根本原因を探そうとしている内に任期満了となり、引継ぎがされなかった

ケース2.

既存の長期修繕計画のままでは、将来赤字になる予定であり、長期修繕計画の見直しや修繕積立金の値上げを検討しなければならない状況にも関わらず、検討事項としての引継ぎがされなかった

ケース3.

大規模修繕工事の実施時期先延ばしのため、コンサルに調査を依頼して延期を実現したが、数年後、大規模修繕実施時期になって、調査を依頼したコンサルの存在を知らず、改めてコンサルを募集しようとした

ケース4.

大規模修繕工事に5年の保証期間(工事会社による保証)があり、数年後に時期がきたら工事会社に点検してもらう予定にしていたが、引継ぎされておらず保証期間が終了してしまった

他には、マニュアル等は引き継がれたものの、中身を把握していない、といったようなケースもあります。

ケース5.

引き継がれたマニュアルを読んでおらず、いざ実行しようとしたときにバタバタしてしまった

余談ですが、過去に私たちが困った事例も紹介します

ケース6.

修繕委員会を設立せず、理事会が直接大規模修繕工事の計画を検討している間に理事長が任期満了で交代。それまでの検討事項や方針の引継ぎがされなかったため、一から検討のやり直しとなり、時間も費用もかさんでしまった

まとめ しっかり引き継ぎできるようサポートします

いかがでしたか?
自分が新理事だったら、ゾッとするものもあるのではないでしょうか。
管理会社がしっかりしている場合は安心かもしれませんが、それでも自分たちできちんと引継ぎができるようにしたいものですよね。

※ケース2~4のように、中長期的な問題に対応する為には、任期をまたいで対応・検討していけるように、理事会の下に「担当委員会」を設置して、その委員会で継続検討していけるようにするなどの施策をお勧めします。
余談でご紹介したケース6などは典型的な事例に該当すると思います。

翔設計では、依頼された業務において、引継ぎがしやすい環境をつくるようにサポートしています。

お悩みの方はこちらをご覧下さい

役員の成り手不足、経年による問題の複雑化、理事会の輪番制による引継ぎ問題など、そもそも大規模修繕を行っていくことに対して不安を感じている理事会の方のご相談が多くなっています。

そんな方には年間コンサルタントがお勧めです。年間コンサルタントをいれれば理事会・管理組合運営における「精神的・時間的な負担を軽減」「外部の第三者によるセカンドオピニオン」「理事会の継続性を担保」できます。是非詳細をご覧下さい。

上部へスクロール