修繕積立金に関しては、普段あまり意識されることもないとは思いますが、実はマンションの資産価値を大きく左右する大切な要素です。
翔設計でもこれまで数多くの大規模修繕工事コンサルタント並びに長期修繕計画の作成をさせて頂いておりますが、実はほとんどの管理組合の長期修繕計画では、第2回目の大規模修繕工事以降、資金計画が赤字になってしまう管理組合が多い印象です。
なぜかというと、マンション販売時に設定される修繕積立金の設定額は、販売促進のために安く設定されていることが多く、当初の長期修繕計画表では、数十年後の様々な修繕工事を賄えるだけの資金が集まらない計画となっていることが多いためです。
また当初の長期修繕計画表は30年程先までしか作成されておらず、機械式駐車場の更新や改良改善工事が組み込まれていないケースが多くあります。途中見直しを行い、実際に必要な項目を追加したら赤字になってしまった、という管理組合をよく目にします。特に機械式駐車場に関しては、築30年を超えると更新工事が必要となり、巨額の改修費用がかかります。
それに加えて、下記のグラフで分かるように、建設工事費が2012年ごろから緩やかに上昇しています。主な理由としては、東日本大震災復興事業の本格化や建設労働者数の減少、建築資材の上昇などと言われております。
工事費が年々上昇している中、マンションの修繕積立金が竣工時のままであれば、これだけでも必然的に赤字になることが想定されます。
そのため長期修繕計画は5年に一度見直すことが推奨されております。
マンション管理組合では特に第2回目の大規模修繕工事時の長期修繕計画の見直しが、マンションのターニングポイントだと考えます。
築40年以降までを黒字で迎えられる管理組合は少なく、上記の理由からどこかのタイミングで修繕積立金の値上げを検討せざるを得ません。築年数が経てば経つほど居住者の年齢も上がり、かつ値上げ幅も大きくなるため、値上げの判断は第2回目の大規模修繕工事が最後のチャンスだと考えます。
大規模修繕工事時の長期修繕計画の見直しは、工事後ではなく、工事項目検討と同時に、将来を見据えて検討していくことが重要となります。
翔設計では、長期修繕計画の作成業務や修繕積立金値上げのサポート等も行っておりますので、ぜひご相談ください。
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